
ブラックホールはどのような仕組みで、実際にはどう見えるのでしょうか。11の短いレッスンで、動く図とともに解説します。さらに4つのリアルタイムシミュレーションで、ブラックホールの周りを飛び、その中へ落ち、ワームホールを抜け、光速近くまで加速できます。すべてのピクセルが、曲がった時空をたどってきた一本の光線です。
ブラックホールは宇宙でいちばん単純な天体であり、いちばん奇妙な天体でもあります。あるのは質量とスピン、そして何ものも抜け出せない境界だけ。11の短いレッスンで、物が落ちる理由から、ブラックホールが輝く理由までをたどります。数学の知識は必要ありません。数式は、興味のある方のために添えてあります。
物が落ちるのは、空間と時間が曲がっているからです。
ニュートンは重力を、質量どうしが引き合う「力」として説明しました。1915年、アインシュタインはこの力を幾何学に置き換えます。質量とエネルギーは、空間と時間が織りなす4次元の布地「時空」を曲げます。そして惑星から光まで、あらゆるものがその中を、できるかぎりまっすぐな道筋に沿って進むのです。地球が太陽のまわりを回るのは、何かに引っぱられているからではありません。太陽のまわりの曲がった時空では、地球にとっていちばんまっすぐな道筋が閉じて、軌道になるからです。
時間もこの布地の一部です。質量に近い時計ほど、ゆっくり時を刻みます。その効果はわずかですが、確かに存在します。地球の質量から離れたGPS衛星の時計は、地上の時計より1日に約45マイクロ秒進みます。一方、衛星自身の軌道速度によって7マイクロ秒遅れます。この差を無視すると、位置は1日に約10キロメートルずつずれていってしまいます。
時空は物質に動き方を教え、物質は時空に曲がり方を教える。(ジョン・ホイーラー)
どんな質量でも、十分に小さく押し縮めれば、何ものも這い上がれなくなります。
ボールを上に投げると、やがて落ちてきます。しかし、地球の脱出速度である秒速11.2キロメートルより速く投げれば、二度と戻ってきません。脱出速度は、質量の大きさと、その質量にどれだけ近いかで決まります。質量はそのままで地球を小さく押し縮めていくと、表面での脱出速度は上がっていきます。
1783年、イギリスの牧師ジョン・ミッチェルは、ある星がとても小さく凝縮していて、脱出速度が光速を超えていたらどうなるかを考えました。その星の光は決して外へ出られません。つまり「暗い星」です。アインシュタインの理論は、この考えを厳密なものにしました。1916年、カール・シュワルツシルトは、1つの質量のまわりの時空を表す解を見つけます。その解には臨界となる大きさが含まれていて、現在ではシュワルツシルト半径と呼ばれています。どんな質量でも、この半径の内側まで押し縮めれば、ブラックホールが生まれるのです。
あらゆる質量にシュワルツシルト半径があります。その大きさは、太陽1個分の質量あたり約3キロメートルです。
巨大な星が燃料を使い果たすと、重力が勝利します。
星は、力のつり合いの上に成り立っています。重力はガスを内側へ引き込み、中心核で起こる核融合の熱がそれを押し返します。燃料が尽きると、このつり合いが崩れます。太陽のような星は縮んで白色矮星になり、それ以上押し縮められまいとする電子の力によって支えられます。
太陽の約8倍より重い星は、超新星爆発で一生を終えます。鉄でできた中心核が、1秒足らずで崩壊するのです。たいていの場合、中心核は中性子星になります。しかし、残ったものの質量が太陽の約2〜3倍を超えると(太陽の約20倍以上の星ではそうなりやすいのですが)、中性子でさえ支えきれず、自らのシュワルツシルト半径の内側へと落ち込みます。こうして恒星ブラックホールが誕生します。その質量は、たいてい太陽の5〜50倍です。
大きな銀河の中心には、太陽の数百万〜数十億倍も重い、超大質量ブラックホールもあります。私たちの天の川銀河にあるいて座A*の質量は、太陽の約430万倍。天文学者たちは30年以上にわたって、そのまわりを回る星々を追いかけ、この質量を量りました。こんな巨大なブラックホールが、宇宙の歴史のこれほど早い時期に、どうやってここまで大きく育ったのか。それはいまも謎のままです。
ブラックホールには大きく2つの種族があります。死にゆく星が残す恒星ブラックホールと、銀河の中心にある超大質量ブラックホールです。
一度しか越えられない境界。
シュワルツシルト半径は、事象の地平面の位置を示しています。地平面は物体の表面ではありません。そこを通り抜けて落ちていく宇宙飛行士は、何も見つけないでしょう。そこは「引き返せない地点」なのです。その外側なら、十分に強力なロケットがあれば、まだ脱出できます。しかし内側では、光でさえ、どの道筋をたどってもさらに奥へと進むしかありません。
これを川にたとえて思い描くこともできます。空間は滝へ向かう水のようにブラックホールへと流れ込み、進むほど速くなっていきます。光はその流れの中を、光速で泳いでいます。遠く離れた場所では流れが弱く、光はたやすく泳ぎ去ることができます。地平面では流れの速さが光速に達し、外へ向かう光はその場で立ち止まります。その内側では、つねに流れが勝つのです。
時間も同じことを物語ります。遠くから見ると、落ちていく時計は地平面に近づくにつれて、どんどんゆっくり時を刻むようになります。その光はしだいに赤く暗くなり、ついには見えなくなります。まるで境界で凍りついたかのようです。しかし、時計を持っている宇宙飛行士本人はそのどれにも気づかず、有限の時間で地平面を越えていきます。
質量の近くでは時計がゆっくり進み、その進み方の比率は地平面でゼロになります。
光はブラックホールのまわりを周回できます。その結果、空に穴があくのです。
シュワルツシルト半径の1.5倍の距離では、重力が光を円く曲げます。これが光子球です。この軌道は、先端で立てた鉛筆のように不安定です。ほんのわずかにつつかれただけで、光はらせんを描いて落ち込むか、遠くへ飛び去ってしまいます。もしそこに立つことができたら、自分の後頭部が見えるでしょう。
遠くからやってくる光のうち、中心からある臨界距離より内側をねらって進む光は、光子球の下へもぐり込み、のみ込まれてしまいます。外から見ると、そうして失われた光線が集まって、暗い円盤をつくります。これがブラックホールのシャドウです。重力によって拡大されるため、シャドウの幅は地平面そのものの約2.6倍になります。ぎりぎりでのみ込まれずにすんだ光は、通り過ぎる途中でブラックホールのまわりを回り、シャドウの縁に細く明るいリングとなって積み重なります。
2019年、地球規模に広がる電波望遠鏡のネットワーク、イベント・ホライズン・テレスコープが、5500万光年かなたにあるブラックホールM87*のシャドウを撮影しました。2022年には、いて座A*でも同じことをなしとげています。地球から見たそのリングの大きさは、月面に置いたドーナツと同じくらいです。
光子球は1.5 rsの位置にあります。空に映るシャドウの半径は約2.6 rsです。
ブラックホールそのものは見えません。しかし、そこへ落ちていくガスは、宇宙で最も明るい天体の1つです。
ブラックホールは、それ自体では光を出しません。私たちが見ているのは、落ち込んでいく途中の物質です。伴星や、混み合った銀河の中心部からやってきたガスは、まっすぐには落ちられません。排水口のまわりを回る水のように横向きの動きを保ったまま、平たく回転する円盤に落ち着きます。
円盤の内側は外側よりずっと速く回るので、隣り合うガスの輪どうしがこすれ合います。もつれた磁場が摩擦のようにはたらいてガスを数百万度に熱し、ガスはゆっくりとらせんを描いて内側へ進みます。内縁では、光速の半分もの速さで動いています。
その内縁が、最内安定円軌道(ISCO)です。回転していないブラックホールでは、シュワルツシルト半径の3倍の位置にあります。それより内側には安定な軌道がなく、ガスは地平面へ一気に落ち込みます。そこに着くまでに、ガスは質量の約6%を光に変えます。高速で回転するブラックホールのまわりでは、最大で約30%にもなります。核融合では0.7%にすぎません。超大質量ブラックホールを動力源とするクエーサーが、母銀河全体よりも明るく輝くのはこのためです。
水星が海王星より速く公転するように、内側の軌道ほど速く回ります。そのあいだの摩擦がガスを熱し、エネルギーを奪っていきます。
『インターステラー』でおなじみのあの姿は、重力がレンズとしてはたらいた結果です。
重力がなければ、球のまわりの円盤を横から見ると平たい楕円に見え、奥側の半分は球に隠れてしまいます。ブラックホールは、その奥側の半分から私たちへ届く光を曲げます。奥の円盤の上面を出た光は、シャドウの上を越えるように曲げられ、下面からの光はシャドウの下側へ曲げられます。そのため私たちには、円盤の奥側が2回見えるのです。上にかかるアーチとして、そして下側の、より細いアーチとして。
円盤そのものは少しも曲がっていません。平たく薄いままです。曲がっているのは光だけです。視点を変えると、見え方も変わります。真上から見ると、円盤の奥側はシャドウのまわりをぐるりと囲むリングになります。
ブラックホールはレンズです。その向こうにあるものを引き伸ばし、拡大し、しばしば何重にも映し出します。
猛スピードで動くガスは光を前方へ集中させ、重力はその光のエネルギーを奪います。
内縁の近くでは、円盤は光速のかなりの割合の速さで動いています。片側は私たちに近づき、反対側は遠ざかっています。相対性理論では、この違いがとても大きな意味をもちます。近づいてくる側の光は青い色へずれ、前方へのビームに集中するので、ずっと明るく見えます。遠ざかる側は、赤く暗く見えます。明るさはドップラー因子のおよそ4乗に比例するので、色のわずかな変化が、明るさの大きな変化になるのです。
さらに、ブラックホールの重力から這い上がってくる光はエネルギーを失い、赤い色へずれます。これが重力赤方偏移です。最も内側にある、いちばん熱いガスは、実際よりも冷たく暗く見えます。
『インターステラー』では、これらがすべて省かれました。制作陣は、片寄ったブラックホールで観客が戸惑わないよう、円盤を左右対称にしたのです。このシミュレーションでは、どちらも選べます。シネマティックモードでは色合いを1つに保ち、物理モードでは円盤の各部分を、それぞれの黒体温度に応じた色へずらします。
見え方は、光源がどれだけ速く動いているか、そして重力の井戸のどれだけ深くにあるかで決まります。その両方が、1つのずれの因子gにまとめられます。

現実のブラックホールは回転していて、まわりの時空を引きずっています。
星は自転しています。崩壊する中心核は、腕を縮めたフィギュアスケーターのように回転を速め、ブラックホールはその回転を受け継ぎます。1963年、ロイ・カーは、回転するブラックホールを表す厳密解を発見しました。『インターステラー』のブラックホールも、このシミュレーションのブラックホールも、まさにこの種類の回転するブラックホールです。
回転するブラックホールは、まわりの空間を一緒に引きずって回します。これを慣性系の引きずりといいます。ブラックホールに近いところでは引きずりがとても強く、何ものも静止していられません。エルゴ球の中では、全力で噴射するロケットでさえ、回転と一緒に運ばれてしまいます。地平面は小さくなり、回転と同じ向きに周回するガスは、落ち込む前にずっと近くまで回れるようになります。そのため円盤はより内側まで届き、より熱く輝きます。
スピンはシャドウも変えます。こちらへ向かって回転している側を通る光は後押しされて、より近くまで寄ることができます。一方、反対側を通る光は押し戻されます。スピンが大きいと、シャドウの片側の縁が平らになり、シャドウ全体が横にずれます。
スピンはa/Mで表し、0(回転なし)から1(考えられる最速)までの値をとります。理論によれば、現実のブラックホールは0.998付近で頭打ちになります。
足から落ちると、重力は頭よりも足を強く引っぱります。
重力は距離とともに弱まるので、物体の近い側を、遠い側よりも少しだけ強く引っぱります。地球上では、この差は体の頭と足のあいだでは小さすぎて感じられません。地球全体の規模では、月によるこの差が海の潮の満ち引きを起こします。ブラックホールの近くでは、それが途方もなく大きくなります。落ちていく宇宙飛行士は頭から足の方向に引き伸ばされ、横からは押しつぶされます。まるでスパゲッティのように。
意外なことに、危険なのは小さなブラックホールのほうです。太陽の10倍の質量のブラックホールに落ちると、足と頭にかかる引力の差は、地平面で2,000万gに達します。地平面にたどり着く数百キロメートルも手前で、体はばらばらに引き裂かれてしまうでしょう。いて座A*では、地平面での差は約1万分の1 gにすぎません。何も感じないまま、地平面を越えていくはずです。
星も同じ運命をたどります。超大質量ブラックホールに近づきすぎた星は、細長いガスの流れへと引き伸ばされ、その一部が落ち込んで、何か月も続く閃光を放ちます。これが潮汐破壊現象です。
引き伸ばす力は、近づくほど距離の3乗に反比例して強まります。地平面での強さは、質量の2乗に反比例して弱まります。
ほとんど永遠です。ただし量子力学によって、ごくかすかに光を放ちます。
1974年、スティーヴン・ホーキングは、地平面の近くで起こる量子効果によってブラックホールがかすかな熱放射を出し、少しずつ質量を失うことを示しました。ブラックホールは大きいほど冷たくなります。太陽と同じ質量のブラックホールの温度は、絶対零度よりわずか約1億分の6度高いだけ。ビッグバンの残光である2.7 Kの宇宙背景放射よりも、はるかに冷たいのです。そのため現在、知られているすべてのブラックホールは、放射するより多くのエネルギーをのみ込み、成長し続けています。
宇宙がブラックホールよりも冷えた、はるか遠い未来になって初めて、ブラックホールは縮み始めます。太陽1個分のブラックホールが蒸発するには約10⁶⁷年、最大のものでは約10¹⁰⁰年かかります。ホーキング放射はまだ観測されていませんが、重力と量子力学がどうつながるのかを解き明かすための、最も奥深い手がかりの1つであり続けています。
ブラックホールの温度は、質量に反比例します。小さいほど熱いのです。
ブラックホールを描くには、目に届くすべての光線がどこから来たのかを知る必要があります。平坦な空間なら簡単です。光はまっすぐ進むからです。ところがブラックホールの近くでは、光は前のレッスンで見た曲がった経路をたどるため、描くこと自体が計算になります。
レイトレーシングは、光を逆向きに追跡する手法です。カメラから1ピクセルにつき1本の光線をシーンに放ち、曲がった幾何の中を少しずつ進めていきます。地平面を越えて落ちれば、そのピクセルは黒。円盤を横切れば、ドップラー効果と重力によってずれた円盤の輝きを受け取ります。逃げ出せば、最後に抜けていく方向の空の色になります。
太陽の近くでは曲がりはごくわずかで、太陽の縁をかすめる星の光でも1.75秒角、およそ2000分の1度にすぎません。ブラックホールの近くでは、この曲がりが目に見えるすべてを形づくります。
カメラから出た光線を横から見たところ。ブラックホールの近くを狙うと光は捕らえられてシャドウになり、少し外側を狙うと光は上側に回り込むように曲げられ、円盤の向こう側が見えるようになります。
曲がった時空の中で光を追跡するのは、計算の負荷が大きい処理です。そこで作業を分け、重い部分は一度だけ計算し、動くものはすべて軽い処理で済ませています。だからこそ、ブラウザのタブの中でも4Kのまま動かせるのです。
4Kフレームの830万ピクセルそれぞれについて、4次のルンゲ=クッタ法で光線を曲がった時空の中で逆向きに積分し、落ち込むか、円盤を横切るか、逃げ出すまで追いかけます。最新のGPUなら、1フレーム全体でおよそ1秒です。
結果は、各ピクセルの光がどこから来たのかを記録した「レイマップ」として保存します。ワームホールとブラックホールへの落下ではさらに一歩進み、対称性を利用して、ありうるすべての光線を、一度だけ計算する1枚のテーブルに収めています。
あとは各フレームで値を参照するだけです。回転する円盤の位置、そのドップラーシフトと重力によるシフト、そしてその温度の黒体の色を、事前に計算したスペクトルのテーブルから求めます。
光は、かすかな星から燃えるように明るい円盤の内側まで、ハイダイナミックレンジのまま保持し、フィルムのようにブルームとトーンマッピングをかけます。星々は、NASAによる16KのHDR天の川銀河マップを使っています。
飛び込んで体験できる4つの実験です。どれもブラウザ上で最大4Kのリアルタイムで動作します。設定はすべて変更でき、どの視点もリンクとして共有できます。

星1つ分の質量が、光さえ逃げ出せないほど小さく押し込められた天体。
『インターステラー』に登場するブラックホール、ガルガンチュアは、回転するブラックホールです。質量は時空を曲げ、つねにできるかぎりまっすぐな道筋をたどる光は、その曲がりに沿って進みます。ブラックホールの近くでは曲がりがとても強く、光はそのまわりを周回したり、裏側へ回り込んだり、二度と戻らず落ち込んだりします。
ここに表示されるピクセルの1つ1つは、カメラから逆向きに、ブラックホールのまわりの曲がった時空の中をたどった光線です。光線が事象の地平面を横切れば、そのピクセルは黒くなります。これがシャドウです。ブラックホールを周回する高温ガスの薄い円盤を横切れば、光線は円盤の輝きを拾います。その色と明るさは、ガスの速さと重力そのものによってずれています。
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事象の地平面を越える片道旅行で、実際に目にする光景。
ブラックホールに落ちたら、何が見えるのでしょうか。ブラックホールのまわりでは、空間が川のように内側へ流れ込んでいます。その流れは近づくほど速くなり、地平面では光速に達します。遠くから落とされたあなたはこの流れと一緒に運ばれるので、何も感じないまま地平面を越えます。境界には何の目印もありません。越えた後になって初めて、あらゆる道筋が特異点へ向かうようになるのです。
ここでは、カメラが回転していないブラックホールへまっすぐ落ちていきます。ブラックホールは完全な球形なので、光線の道筋はあなたの位置する距離と、見る角度だけで決まります。そこで、ありうるすべての光線を一度だけ追跡して表にまとめています。落下は、あなたが見る色も変えます。下からの光は青方偏移し、上からの光は赤方偏移します。そのずれの大きさは、重力とあなた自身の速さの両方で決まります。
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時空を貫くトンネル。別の銀河をのぞく水晶玉のように見えます。
ワームホールは、遠く離れた2つの空間の領域を近道でつなぎます。物理学者キップ・ソーンとともに設計された『インターステラー』のワームホールは、なめらかで球対称なトンネルで、3つの数で表されます。スロートの半径ρ、スロートの長さ2a、そしてMで決まるレンズ効果の幅です。
外から見ると、ワームホールは球のように見えます。トンネルを通り抜けてきた光が向こう側の景色を運んでくるので、球の中には別の銀河が見えます。一方、入り口をかすめる光は、あなたの背後の空をリング状に巻きつけます。形がとても対称なので、光線の運命はたった2つの数で決まります。そこで、ありうるすべての光線を一度だけ積分して表にまとめ、カメラがそのまま通り抜けられるようにしています。
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天の川銀河の中心へ向かって飛び、前方に空が押し寄せてくるのを眺めましょう。
質量をもつものは光速に達することはできませんが、いくらでも近づくことはできます。近づくにつれて、空は3つの点で同時に変化します。走っていると雨が前から斜めに降ってくるように見えるのと同じく、光行差は景色を前方へ押し縮めます。ドップラー効果は、前方の光を青い色へ、後方の光を赤い色へずらします。そしてビーミングによって、前方の景色は明るく、後方の景色は暗くなります。
ここでの速さは、ラピディティηで設定します。速さはv = c·tanh ηです。ラピディティは単純に足し算できるので、スライダーを同じ幅だけ動かすと、エンジンで同じだけ押されたように感じられます。vがどれほどcに近づいても、それは変わりません。船内の時間と銀河の時間は別々に数えます。高速では、船内での1秒ごとに、ふるさとでは何年もの時が過ぎていきます。
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